UCSについて

UCS (Universal Coded Character Set ... ISO/IEC 10646) は、ISOおよび IECの合同委員会 "JTC 1" 下の副委員会 "SC 2"(情報交換用文字符号)下の"WG 2"(国際文字符号集合)で開発されている、国際的な文字符号規格です。漢字もまたISO/IECにおいて、規格化されています。

About UCS

UCS (Universal Coded Character Set) is developed by ISO/IEC JTC 1/SC 2/WG 2. CJK Ideographs are also standardized in the UCS.

ISO/IEC 10646:2011

ISO/IEC 10646:2011 はPDFで公開されています。

国際規格の制定スケジュール

JTC 1 業務指針 (Directives) 第5・6版に基づく規格策定

以下の日付は、AMDを除き投票の締切日です。ステージ3の投票は3ヶ月、ステージ4は通常4ヶ月、ステージ5は2ヶ月の投票期間を設けています。

ステージ12345
ISO/IEC 10646 提案作業    承認       照会       投票      出版   日本語・漢字関係
Amendment 3       PDAM(2次)
2006-09-06
賛10反3棄5
FPDAM
2007-04-02
賛10反2棄5
FDAM
2007-12-24
賛19反0棄13
AMD
2008-2-25
日本語漢字コレクションの制定等
Amendment 4 PDAM
2007-3-13
賛0反0棄0
FPDAM
2007-9-11
賛15反3棄3
FDAM
2008-5-26
賛20反0棄13
AMD
2008-7-1
CJKU_SR.txtへのJIS X 0213の取り込みと若干の修正
9FBC-9FC3の制定(AJ1-6対応等)
Amendment 5 PDAM
2007-08-10
賛0反0棄0
FPDAM
2008-03-20
賛10反5棄2
FDAM
2008-11-05
賛21反0棄13
AMD
2008-12-1
CJKU_SR.txtの若干の修正
9FC4-9FC6(漢字), FA6B-FA6Eの制定(ARIB規格対応)
拡張漢字Cの制定
Amendment 6 PDAM(2次)
2008-09-24
賛11反6棄4
FPDAM
2009-03-25
賛13反2棄5
FDAM
2009-09-21
AMD
2009-10-15
9FC7-9FCB の制定(漢字)、1F200-1F248の制定(ARIB規格対応)
Amendment 7 PDAM
2009-03-11
賛10反5棄5
FPDAM
2009-09-21
賛14反1棄5
FDAM
2010-04-10
賛20反0棄15
AMD
2010-07-15
JIS X 0213用Named USI、「ひらがな古風ye」&「カタカナ古風e」
Amendment 8 PDAM
2009-09-21
賛13反5棄2
FPDAM
2010-3-25
賛16反3棄2
FDAM
10646新版に
織り込み
拡張漢字D, 絵文字(Pictographic Symbols, Emoticons, Transport and Map Symbols)
ISO/IEC 10646:2011 CD
2009-09-25
賛14反2棄3
FCD
2010-04-15
賛14反3棄2
FDIS
2011-02-13
賛17反1棄15
IS
2011-03-15
ISO/IEC 10646:2011 (第2版) はAmd.1~Amd.8を織り込み、技術情報をUnicode寄りに変更したもの。合計で109,379文字となり、第1版から13,001文字増加。
ISO/IEC 10646:2012 CD
2010-09-22
賛13反4棄4
FCD
2010-12
FDIS
2012-04-23
賛20反1棄16
IS
2012-06-01
ISO/IEC 10646:2012 (第3版) は第2版から715文字を追加し、拡張漢字Bをマルチカラム化する。また、AJ1-6 CID+20156をU+9FCCに入れ、すべてのAJ1-6漢字をUCS符号化可能にする。さらに、絵文字異体字シーケンスとして、107文字を追加(2011年11月27日)している。

ISO/IEC 業務指針 第7版に基づく規格策定

ISO/IEC 業務指針 (Directives) 第7版は、ISOやIECの 業務指針との親和性を高めるために改正されました。ステージは前版に比べて7段階に増え、照会ドラフトの名称がFCDやFPDAMから、DISやDAMに変わり、作業期間も伸びる等の変更があります。ステージ4は3ヶ月、ステージ5は通常5ヶ月、ステージ6は2ヶ月の投票期間を設けています。

ステージ1234567
ISO/IEC 10646 予備 提案 作成   委員会     照会     承認     発行   日本語・漢字関係
Amendment 1 PDAM
2011-02-28
賛19反0棄5
FPDAM
2012-08-26
賛15反2棄17
FDAM
2013-02-07
AMD ISO/IEC 10646 第3版・Amd1 には、インド系やアラビア系の文字が1,768文字追加されるが、日本に関連する文字は含まれない。
Amendment 2 PDAM
2012-10-03
賛13反3棄10
DAM
2013-04-25
賛15反2棄16
FDAM
2013-11-20
AMD
発行されない
ISO/IEC 10646 第3版・Amd 2 は投票のみ行われ、実際には発行されない。ヨーロッパ・インド文字が900文字追加される。日本に関連する文字では、悉曇文字が追加される。
ISO/IEC 10646:2014 CD
2013-03-21
賛15反2棄5
DIS
2014-01-14
FDIS
2014-07-08
IS
2014-08-29
ISO/IEC 10646 第4版には、拡張漢字Eおよび悉曇文字の異体字が含まれる。
Amendment 1 PDAM
2014-01-01
DAM
2014-08-29
FDAM
2014-11
AMD

ISO/IEC 10646 第4版・Amd 1 は悉曇文字の結合2文字が含まれる。
Amendment 2 PDAM.2
2015-01-15
DAM
2015-05
FDAM
2015-11
AMD

ISO/IEC 10646 第4版・Amd 2 はアラビア文字・マラヤラム文字等に追加が行われる。

Unicode

Unicodeは、Unicodeコンソーシアムと呼ばれる民間の団体が定めた私的な文字符号規格です。ISO/IEC 10646と文字表が一致するように、規格を定めています。

Unicodeの新版は、対応するISO/IEC 10646のFDAM投票の直後あたりに発行されます。そのため、投票後に審査のためにITTFに回送される ISO/IEC 10646 と比較して若干早めに規格がリリースされる傾向にあります。